資料5  晶文社刊「文学のおくりもの」シリーズラインナップ

 
 ブラッドベリ『たんぽぽのお酒』に始まるこのシリーズは、少年少女を主人公にした作品が中心で、若い世代が抵抗なく本に親しめるよう企画された ものと思われます。その内容も、ファンタジックなものからユーモラスなもの、青春小説あるいはのちにはYA小説と分類されるものなどなかなか多彩であり、 すでに古典に属する作家も多く収録されていることから、現在でも老若男女を問わず十分愉しむことができます。わたくしもこれが出た当時は全巻読もうかなーと思っていたのですけど、 例によって意志薄弱揮発性メモリーが災いして、うやむやになってしまったのでした。遠い過去に読んでしまったものはともかく、近頃またぼちぼちと読み始めて おりますので、順次感想も載せたいと思っております。当時の出版社キャッチも、オサレなイメージの晶文社としてはなかなか雄辯會講談社じみているのも、 時代を感じさせるということで載せてみました。
 この一部は1997年ころに「ベスト版 文学のおくりもの」シリーズとして新装版が出たようですが、古い版のものも半分程度はまだ新品で入手可能のようです。 図書館では児童書の棚にあることも多いのでちょっと要注意ですね。

タイトル 著者訳者   出版社キャッチコピー
1たんぽぽのお酒レイ・ブラッドベリ北山克彦多感な少年の愛と孤独の日々を詩うファンタジー。
2まっぶたつの子爵イタロ・カルヴイーノ河島英昭片足片腕の子爵がまきおこす奇想天外な事件は?
3ぼくの村ジャン・コー花輪莞爾ここはフランスの片田舎。抱腹絶倒のナンセンス。
4セルビアの白鷲ロレンス・ダレル山崎勉英国スパイの暗躍を追うクールな冒険ミステリー。
5ペシャンコにされてもへこたれないぞ!ナット・へントフ片桐ユズル軍隊なんて行くものか! アメリカの少年の苦悩。
6皮商売の冒険ディラン・トマス北村太郎青年のロンドン巡りの顛末は?鬼才の秀作短篇。
7波の上を駆ける女アレクサンドル・グリーン安井侑子見果てぬ夢を追う海の男たちの詩情溢れる物語。
8ハロウィーンがやってきたレイ・ブラッドベリ伊藤典夫不思議な祭りの夜、8人の少年が時を遡る…。
9大あらしリチャード・ヒューズ北山克彦嵐の猛威にさらきれた船乗りたちの内面のドラマ。
10丘の上のカシの木セシル・デイ・ルイス栗原行雄少女アンナの恋のめざめを謳う珠玉の青春物語。
11サンタクロース殺人事件ピエール・ヴェリー村上光彦おとぼけ弁護士ルピック氏の名推理は、さて?
12羽根をなくした妖精ユリヨ・コッコ渡部翠森のトロールと虹の妖精が奏でる愛のメルヘン。
13ぼくはだれだタデウシュ・コンヴィツキ内田莉莎子・小原雅俊少年が辿りついた不思議な国は?現代夢物語。
14世界のかなたの森ウィリアム・モリス小野二郎澄明な美しさを湛えたファンタジー文学の古典。
15ひとつのポケットから出た話カレル・チャペック栗栖継チェコの天才作家の心暖まる異色ミステリー集。
16人間喜劇ウィリアム・サロイヤン小島信夫生と死が織りなす、きびしくも感動的なドラマ。
17ジャマイカの烈風リチャード・ヒューズ小野寺健船上の殺人事件の裏に潜む驚くべき子供の世界。
18ぼくのハシントおじさんアンドラス・ラスロ井上勇腕白少年ペポーテが巻起す、笑いと涙の珍事件。
19文なし横丁の人々ウルフ・マンコウィッツ清水俊二ロンドンの片隅に生きる人々の心に灯る愛と希望。
20メキシコの黄金ハーヴェイ・ホワイト増田義郎古代アズテック王国の幻の黄金を求めて―。
21ズボンをはいたロバアンリ・ボスコ多田智満子少年の夢と不安をみずみずしく描く幻想ロマン。
22大泥棒と結婚すればユードラ・ウェルティ青山南開拓時代のアメリカ南部を舞台に、森の大泥棒ジェイミーと美しい少女ロザモンドをめぐって巻きおこる恋と冒険のファンタジー。女流作家ウェルティの隠れた傑作。
23サンタクロースの反乱ピエール・ヴェリー村上光彦えっ、サンタクロースが恋をした!? なに、サンタクロースが革命家!? クリスマスの夜、サンタ・マルガリータ国は大騒ぎ。ミステリ仕立ての何ともケッサクなお話。
24なんとかしなくちゃモニカ・デイケンズ高橋茅香子退屈しのぎばかり求めている人生なんて無意味だわ。22歳のモニカがある日突然、お手伝いさんを志願した。文豪ディケンズの曽孫にあたる女流作家の爽やかな青春日記。
24コニーアイランド物語ノーマン・ロステン青木由紀子楽しみを売る町「コニーアイランド」の裏側で、ちいさな目が覗きみためくるめく世界。このダウンタウンのひと夏は、知らん顔してそっと少年を大人に変えていく…。
26逃げるが勝ちロレンス・ダレル山崎勉・中村邦生山高帽にコウモリ傘の英国の誇りたかき外交官アンドロバス。スリル満点のかけひき。思い起すだに冷や汗の出る珍事件怪事件。とびきり上等のユーモアが光る小話集。
27幻の馬 幻の騎手キャサリン・アン・ポーター高橋正雄偽るのはもういや―ロマンティックな伝説にくるまれたアメリカの南部社会から、自分自身の人生を生きようと飛びだしていく少女ミランダの青春を陰影豊かに刻む。
28わが名はアラムウィリアム・サロイヤン清水俊二素朴なユーモア。しみじみとした味わい。おかしみ溢れる子供の生活をとおして、アメリカに移住してきたアルメニア人一家の喜びと悲しみを写しだす。胸暖まる名作。


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