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題名:チップス先生さようなら
著者:ヒルトン訳・菊地重三郎
発行:新潮文庫(1956.7.30/97.11.25)
価格:\400
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【内容紹介】
 霧深い夕暮れ、炉辺に座って回想に耽るチップス先生の胸 に、ブルックフィールド校での六十余年の楽しい思い出が去来する。 腕白だが礼儀正しい学生たちとの愉快な生活、美しく聡明だったなき妻 との短い結婚生活、第一次大戦当時の緊張した日々。愛情に満ち、 しゃれの名人でもある英国人気質の老教師と厳格な反面ユーモアに 満ちた英国の代表的なパブリックスクールの生活を描いて絶賛され た名作。

【感想……かもしれない】
 告白いたします。教育関係者の方の目にふれることもあると思うと申し上 げにくいのですけど、わたくし小学校から高校に至るまで、「尊敬できる教 師」「大好きなセンセ」についぞ巡り会えませんでした。他人もそうだと思っ ていたら、どうやらそんなこともないらしい。そりゃ不幸だよーというひと もいれば、おまえがナマイキだからだよーという者もおりました。
 でもそれほど自分では不幸ともミジメとも思えないのは、やはり相当のナ マイキ悪ガだったせいでしょう。こっちから願い下げの拒否姿勢を崩さな かったってとこもありますしね。もちろん中には好意らしい物を示してくれ る先生もおりましたが、わたくしはあんまり信じられませんでした。赤の他 人の、それもどっちかと言えば汚くて暗めのオスガキが好きなオトナってい ると思う? 無理すんなよ、偽善すんなよ、センセだからってすべての生徒 を愛さなきゃいないってこたないんだよ。……そうやって身構えていると、 やっぱり相手にも伝わってしまうから、結局溝は埋まらない。嫌な子供です ね〜。自分の子供だったら張り倒してるな〜。
 しかし、当時の小中学の教師たちも、セクハラは当然の役得、修学旅行で は飲んで暴れる、テストのたびには成績上位常連の誰が一着に入るか金賭け てたりして、質の低さも現代の比ではなかったけどね〜。あ、わたくしが当 たりが悪かったせいもあるかもしれないけど。
 さて、ミスター・チップスですね〜。ま、わたくしがパブリックスクール に行けるほどの育ちだったとして、やっぱりこのおっさんが相手でも、ぜーっ たい反抗してましたね〜。しかし、キャスィーだけは別ですね。真っ先に手 懐けられてしまうでしょうね。このあたりが最大の弱点なのだなー。わたく しの、というより、ナマイキオスガキの。まったく、もう、口ほどにもないっ たら。
 ところでヒルトンですけど、『失われた地平線』という作品はストーリー として面白かったですね。飛行機が不時着してシャングリ・ラに至る、ロス トワールドのようなSFとして読みました。
 本書はまた、一転していかにも「典型英国風」という印象で、やはり多才 な作家だったのでしょうね。


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