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題名: 奇術師カーターの華麗なるフィナーレ
原題: Carter Beats The Devil
著者: グレン・デイヴィッド・ゴールド
訳者: 島村浩子
発行: 早川書房 (2003/01/31)
価格: \2,000
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犬のハンサムに罪はない。ライオンのベイビーは勇敢だ。
【内容紹介】
1923年8月、第29代合衆国大統領ハーディングは、遊説先のサンフランシスコで急死した。当代一流の奇術師カーター演じる舞台に招待された翌日のことである。死因は食中毒ともささやかれたがなぜかその遺体はただちに火葬に付され、その真相は謎のままである。ハーディングの死後、否定することのできない大統領に幾多のスキャンダルが発覚した。それは彼が生きていたとしても、政治的生命を絶たれるに違いない権力ぐるみの腐敗構造だった。
「おそろしい秘密を知ってしまったら、君ならどうするかね」――公演先のさまざまな国の国家元首にプライヴェートに声をかけられることの多い当代一流の奇術師チャールズ・カーターにとっても、それは初めての質問だった。合衆国大統領は何を望んでいるのか。それは奇術師としての生命を賭けてでも、彼が答えなければならない問いだった…。
【感想】
「イリュージョン」という言葉は「錯視」という意味を越えて、華麗なマジックショーを連想させます。それは昨今の大掛かりな舞台のイメージだけではなくて、世紀の脱出王・大フーディニの名が今でもしばしばミステリにも登場することからも、われわれはいかに「騙される事を欲しているか」がわかるというものです。
本書に登場するカーターも、このフーディニと並び称された実在の人物です。級友達がイェールに進学するというエリート環境にありながら、彼は突き動かされるようにショービジネスへの道を歩みます。駆け出しのクローズアップ・マジックから「真打ち」めざして奮闘するその道のり。それは当時の奇術界あるいは見世物界を舞台とした、手品青年の成長小説でもあります。
個人的な悲劇を乗り越え、新しい愛を得て復帰した彼に降りかかる難題、それを彼は「華麗に」イリュージョンに仕立てることが出来るか。ハーディング大統領の死に関わった疑惑をどのように振り払うか。さらにこれぞ真の魔法機械、テレ・ヴィジョンを発明した天才物理学者も巻き込んで、謎あり愛あり驚異の舞台あり天才サイエンティスト付きというハリウッド調一大スペクタクルエンタテインメントに仕上がっております。
ちなみに本作品はトム・クルーズが映画化権を獲得したそうで、今から絵が見えるようでもありますなー。