儀式
しののめ源介
ぼくの短い髪を
あなたはとんがった棒みたいに編むのが好きで
ぼくを痛がらせ
あなたの長い髪を
ぼくはまあるっこい貝みたいに編むのが好きで
あなたを痛がらせ
痛がらせあってその髪を
玉むすび!
どこまで遠く行けるかがぼくたちの儀式だ
心はずませ駆けだした とたん
あなたとぼくは逆方向
(後悔に立つ矢なく 焼きハマグリめ!!)
一度が二度 二度が三度 それでも挫けず
今度はこっちよ あなたが念をおし
今度はこっちだよ ぼくがダメをおし
慎重に走り出すのだが やっぱり
ステンと転んで
あなたはプン
ぼくはプン
プンプンしながら
あなたはだんだんペンチのギザギザみたいに不安になって
ぼくはだんだん折れ釘のサビみたいに不安になって
あたりを見回すと
笑った口か 模造大理石の井戸に
ポチャンとも云わず
整然と行列した人たちが もくもくと
身投げをして
残った影がぼくたちをおおい始めたよ
あなたをぼくは抱きよせて
残った影がわたしたちをおおい始めたわ
ぼくにあなたはすりよって
ねじれヒモ!
ぼくたちの儀式のために
最後の力をふりしぼる振りをして
このまま転がってゆこうか
本物の儀式はいつもコッケイだから
今からでもきっと遅くない
痛がり足りないぼくたちは
ねじれてねじれて転がってゆこうか
誰も許してくれそうもない方へ?