50字×10・1/2章で書かれたわたしの歴史
第1章
就学以前、故郷の図書館は「武徳殿」という戦時中の道場を改装したものだった。誰も「図書館」と呼ばなかった。
第2章
小学生の時、父の友人が本屋だったおかげで少年探偵団シリーズ全巻立ち読みで読破した。父は板挟みだった。
第3章
中学生の時、近所の古本屋は親も行きつけだった。Hな本を買ったらすぐに通報されたが、なぜか怒られなかった。
第4章
中学生の時、同級生に古本屋の子がいた。店番が大好きな奴で、替わってやると言っても絶対に承知しなかった。
第5章
中学生の時、ノートに下手なSFを書いていたら初恋の子が「何書いてるの」と言って覗き込んできた。書くことが病みつきになった。
第6章
高校生の時、朝図書室で本を借り授業中に読み切るという生活を送っていた。国語の教師以外には不評だった。
第7章
大学生の時、当時評判だった『いちご白書』を買いにM善に行ってありかを聞いたら園芸書売場に案内された。
第8章
大学生の時、徹夜で本を読み、徹夜で麻雀し、徹夜で議論すらしていた。ついでに卒論も徹夜でなんとか締切日に間に合わせた。
第9章
結婚したての頃、本代が真っ先に削減されたので、一石二鳥のつもりで英和辞書を読んでみた。無駄だった。
第10章
ようやく中古住宅を買ったらやがて傾いてきた。本の重さが原因と思って大半を処分したが、地盤沈下だった。
…そして今、やっぱり本読んだり何か書いたりしているのがいちばん好きかなー。